溺甘豹変〜鬼上司は私にだけとびきり甘い〜

もしかして九条さん、ユリさんに話したの?昨日西沢とついヤッてしまって、て?
意外といい女だったとか評価してくれてたら嬉しいけど。

……って、いやいや、そういう問題じゃない。そんなことをうだうだ考えていると、ユリさんがぷっと噴き出した。

「ごめん、あんたがあまりにうっとりと九条さんのこと見てるから、カマかけてみた」
「へ?」
「ちょうどお昼だし、詳しく話聞かせてよ」




スレンダーな体のどこからそんな力が出てくるのだろうと思わせる強引さで、ユリさんに引きずられるようにして福々亭へとやってきた。

「いらっしゃい、青葉ちゃん」

おばちゃんのいつものあの優しい笑顔で迎えられ、ホッとしながら席に着く。
< 81 / 291 >

この作品をシェア

pagetop