溺甘豹変〜鬼上司は私にだけとびきり甘い〜
もしかして九条さん、ユリさんに話したの?昨日西沢とついヤッてしまって、て?
意外といい女だったとか評価してくれてたら嬉しいけど。
……って、いやいや、そういう問題じゃない。そんなことをうだうだ考えていると、ユリさんがぷっと噴き出した。
「ごめん、あんたがあまりにうっとりと九条さんのこと見てるから、カマかけてみた」
「へ?」
「ちょうどお昼だし、詳しく話聞かせてよ」
◇
スレンダーな体のどこからそんな力が出てくるのだろうと思わせる強引さで、ユリさんに引きずられるようにして福々亭へとやってきた。
「いらっしゃい、青葉ちゃん」
おばちゃんのいつものあの優しい笑顔で迎えられ、ホッとしながら席に着く。