溺甘豹変〜鬼上司は私にだけとびきり甘い〜
「く、苦しい……」
結局ユリさんに乗せられ、二人前食べてしまった。朝ごはんを抜いてきたとはいえ、いくらなんでも食べ過ぎだ。しかも喉に通らないなんてどの口が言った?
「で? どうしたの?」
食べ終わるのを待っていたといわんばかりに、梅こぶ茶をすすりながら本題を切り出してくるユリさん。もう観念するしかなく、箸を置くと先に聞いてもいいですか?と切り出した。
「昨日の私からの留守電聞きました?」
「え? 留守電? そんなの入ってなかったわよ」
やっぱり……。間違えて九条さんに残してしまっていたんだ。
だから九条さんはそれを聞いてあの場に来てくれた。そんなことにも気がつかず、ユリさんだと思って一人でべらべらと愚痴をこぼして飲んだくれて、そしてあんなことに……。
あぁ最悪だ。ていうか、自業自得だ。