溺甘豹変〜鬼上司は私にだけとびきり甘い〜


「西沢ー、そろそろ戻ろうか」

その声にふと我に返り後ろを向くと、トイレを済ませたユリさんがこっちに向かってきていた。

「あ、ちょっと待ってください。私もトイレ行ってきます」
「そう。じゃあ待ってる」

再び椅子に腰を掛けるユリさんと入れ替わるように席を立つとトイレに向かう。その瞬間、ユリさんは九条さんに何やら話しかけていた。

なんだかあの二人が並んでいると大人の二人って感じ。こうやって改めてみると、お似合いじゃないか。それにユリさん、本当は九条さんのこと本気なのかも。

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