溺甘豹変〜鬼上司は私にだけとびきり甘い〜
トイレを済ませ席に戻ると、二人はまだ親密な様子で話をしていた。なにをそんなに話し込んでいるんだろう……?
もしかしてユリさん、さっきの話を本人にしていてるんじゃ⁉︎
「あれ? どうしたの西沢、その鼻。赤くなってるわよ」
どうしよう、どうしようと、オロオロしながら二人の側に突っ立っていると、ユリさんがそんな私に気がつき心配げに声をかけてきた。
「やっ、あの……なんでもないです!」
そんなユリさんに、慌てて鼻を隠し否定する。すると九条さんまでもが視線を向けてきて、呆れたように口を開いた。
「どうせドアにでもぶつかったんだろ」
「なっ、」
えっ!? どうしてそれを!まさか見られてた?