隣人はヒモである【完】
もしかして、このまま本当に、キスをすることになるかも。ひょっとするとその先も。
るいくんとでは感じたことのない快感が背中を駆けていくのを感じた。
しかしレオさんがどんな表情をして、何を考えているのか、あたしには分からなかった。
やがて力を抜くようにしてだらりとあたしの手は離され、もう二人はお互いに体のどこも触れてはいなかった。けど熱い。身体の全部。
「……じゃ、おやすみ」
「え」
そのまま床にごろりと長い体を横にして、あたしに背を向けたレオさんからは、やがてして寝息を立て始めた。
……早。寝るの。
毛布とか、かぶせてあげた方がいいのか?
固い床で寝て、明日体中痛くなったりしないかな。て、あたしが心配することでもないか。
ちょっとした出来心で、もう一度だけ、とレオさんの前髪をかき上げて顔を覗き見た。穏やかな寝顔。普通の人みたい。起きる気配はなし。
思っていたよりもずっと、変わってるのに、普通の人。変な感じ。
なんか気になる。