隣人はヒモである【完】




「おとなしそうな顔して、やることはやってんだ。いいの? 俺なんか泊めちゃって、怒らないの、彼氏」




軽く脅すような言い方に、あたしにさえ優位に立とうとするレオさんにちょっとイラついた。


寝起きでぼさぼさの髪の毛は、より一層この男を不潔に見せて、ちょっとした不快感も疼く。


……この人を少しだけ魅力的に感じていた昨日の自分が、どうかしていたとしか思えない。


ていうかあたしもスッピンだし寝起きだし相当ひどい見た目だろう、まあこの男に可愛くみられる必要なんか当然ないし、どうでもいいんだけどさあ。




「……何? るいくんのこと? ……別に彼氏じゃないし。誰にどう思われても平気だから」


「……あれー。……なんだ、スマホ見られても全然動揺しないのね、つまんねえ」


「やましいことなんて、何もないし」




ラインでも見られたのかな。るいくんとはどんなやりとりをしていたっけ。


あまり覚えていないけれど、確かに、他人から見たら恋人同士に見えなくもないくらいの距離感でやりとりしていたかもしれない。


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