Madder sky
茜色の空
茜色の雲が西の空に広がり、もうすぐ闇が訪れることを知らせている。
そんな空をぼんやりと私は見ていた。

ドンと後ろから肩があたり、慌てて意識をもどしてぶつかった人に頭を下げた。

「すみません!」

咄嗟に言われたその言葉に、私も慌てて「こちらこそすみません」そう言って、初めて下にカバンに中身が散らばった事に気づいた。

嫌だ。恥ずかしい。

落ちてしまった荷物を拾おうとしゃがみこむ前に、そのぶつかった人の頭が見えた。

拾ってもらっていることに気づき、慌てて私も落ちた物に手を伸ばした。

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