Madder sky
「あっ……」
同時に最後になった小さな手鏡に手を伸ばして、お互いの人差し指が触れた。

ドキンと胸が鳴り、慌て私は手をすこし離した。

「茜色……」
「え?」

「ほら」

私に今触れていた人差し指が、そう言って落ちた鏡の中を指さした。

「あっ。本当だ。小さな茜色」
そう零れるように言った言葉を、その彼は拾い上げてくれた。

「そう、茜色の空」

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