【短編】お菓子な関係
「吉岡が頭悪すぎるから、ママさん怒っちゃって、ここでお菓子作るのは最後ってこと?」
「…言い直す必要あるかな。なんかすごい嫌な言い方になってるし」
こっちは落ち込んで泣きそうだっていうのに、2品目のクッキーを平然な顔で食べてる星川くんに、またため息が出そうになる。
「勉強なら一人でやるより、教えてもらった方がグンとできるようになるよ」
「…へっ?」
クッキーをモシャモシャ口に運び続ける彼をじっと見つめる。
「だ〜か〜ら」
「ひっ、!」
椅子から立ち上がって私の肩を捕まえた星川くんの顔がグッと近くなる。
「俺が見てあげるって言ってんの〜」
っ?!
何言ってるの?!星川くん!
「ダメだよ!星川くん一応受験生だし、それこそ邪魔できないし…タダで見てもらうなんて…」
前に星川くんは言った、
『吉岡のことは友達と思ってない』と。
だから余計、友達でもなんでもない私に彼が勉強を教えてくれるなんておかしな話なわけで。