【短編】お菓子な関係
「この形の時はこの公式を使えばいい」
「なるほど…」
3日後。
家庭科室で、ただ今勉強中。
星川くんの言う通り、ママにチャンスをくださいと懇願したらOKをもらえた。ただし、赤点だった3教科、60点以上必ず取ること。
ママ、あなた鬼すぎるよ。
追試は40点以上でクリアなのに。
星川くんの教え方はすごく優しくて丁寧で、私が同じところでつまづいても何度でも辛抱強く教えてくれる。
ありがたい。
これなら100点も夢じゃない気がするし、そもそももっと早く星川くんにお願いしてればよかった、何て言うのはいくらなんでも図々しすぎか。
「吉岡、結構飲み込み早い方じゃん。料理のレシピだって見なくても作れちゃうし、本当は勉強得意な方なのかもよ?」
「え、そうかな…」
「どーせあれでしょ?苦手な先生だったから授業聞かなかったとか、怖い先生だったから嫌なイメージしかないとか」
「あ、」