ダ・ル・マ・さ・ん・が・コ・ロ・シ・タ2 【完】



「お前、あの病院を訪ねたのは4回目だな。 今日は窓から見えてたぞ。毎回、君江に会っていたのか?」

「……はい」

「次は、そっちのお前!」

「はははいぃ!」

今度は祐一郎の前に立つ。

「そのカメラはなんだ? 若く見えるが、記者か?」

「いいえ! 僕はまだ高校生です! 写真部にしょ、所属しているので、つ、常にカメラを持ち歩いているんですぅ」

「ほーぉ。いつ何時、シャッターチャンスに巡り合うかわからないもんな?」

「え、えぇ」

「じゃあ……」

男はそのまま屈むと、祐一郎の額に銃口を押しつける。

「自分が死ぬ瞬間も、収めるか!?」

「やめやめて゛ぇーく、ください!」

まさに絶体絶命。

「死にたくなければ話してもらおう。キミたちはなんの目的で君江に会った?」

「そ、それは……」

「お前には訊いてない!! コイツに訊いてるんだ! さあ、正直に答えないと、友達の頭に風穴が開くぞ」

鋭い眼差し。

狙いは祐一郎のようで、実は俺だ。

……嘘は通用しそうにない。

「あの事件のことを調べているんだろ? ちがうか?」

「…………」

……考えろ。

どうせ、真実だろうと嘘だろうと関係ない。

おそらく、男の求める答えじゃなければ殺される。

……考えろ!

出し抜く必要があった。この危機的状況を打破するために。

「さっさと言え゛!」

俺が出した答えは……。



 
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