ダ・ル・マ・さ・ん・が・コ・ロ・シ・タ2 【完】
――カチッ。
渇いた音が小屋の中に鳴り響く。
「……ぇ、ん?」
「ッ……」
おもむろに瞼をあげると、銃口に揺らめく炎。
「ラ、ライター?!」
男は立ちあがり、ズボンに付いたホコリを叩きながら拳銃型の着火装置を奪う。
というより、祐一郎の手からそっと抜く。
「驚かせてすまなかったな。こうでもしなきゃ、本当のことを訊きだせないと思ってね」
「「…………」」
次に男が放った言葉は、まっ白な頭を驚愕で染めた。
「私は伊達重信ではない。本当の名は、兵藤新八。磨理子の父親だ」
「……え!? 磨理子さんの父親!?」
笑えない冗談にもほどがある。
だって、彼女の父親は自ら命を絶ったと聞かされていたから。
……たしか……。
教えてくれたのは浦野刑事。
「その様子だと、私は自殺したって聞かされていたんだろ?」
「ぇ……ぁ、はい」
「誰に? 君江か?」
「いえ、浦野さんです」
「浦野!?」
彼の名を声に出すと、男はテーブルの上に置かれている1発の銃弾を見つめた。
……まさか!
「それって……」