ダ・ル・マ・さ・ん・が・コ・ロ・シ・タ2 【完】
俺は君江と出会うまでのすべてを語る。
連鎖する友の死から、浦野との出会い、彼から教えられた病院の場所。
そもそも何故、4人の友が次々に死んだのか。
「磨理子が、たくさんの人を殺してる!?」
「えぇ。全国で数百人が、彼女の呪いで無惨な死を……」
「……呪い」
信じられないだろう。信じたくもないだろう。
しかし、残酷なようでもそれが事実。
「俺にも教えてください。いったい、なにがどうなってあなたは……」
話し終えると、より一層の混乱が襲ってきた。
「これを見れば、おのずと答えは見えてくるだろう」。
すると新八は、ある部分の床板を1枚だけ剥がし、下からビニール袋に入れた分厚い手帳を取り出した。
「それは?」
「キミのことだから、すでに知っているんじゃないか?」
含みを持たせる言い回しに、頭の中で、点と点が線を繋ぐ。
「もしかして……、顧客リスト!?」
「うむ」
幻だと思っていた物が今、俺の目の前にある。
丁重に両手で受け取り、留め具を外し、黒革に指をかけた。
「真実を知る覚悟はいいな?」
「ッ!?」
新八が意味深に問いかける。
俺たちは顔を見合わせて、小さくうなずいた。
硬化した革がパリパリと音を立て、ページがめくられる。
「ま、マジかよ……」
しばらく沈黙したあと、まっ先に声をあげたのは祐一郎だった。
それもそうだろう。
リストには……。
政治家。俳優。名司会者。スポーツ選手。
テレビをつけたことのある人間なら、誰もが知るような名前が書き連ねてあるのだから。
しかし、一際俺の関心を引いたのは、想定外の人物だった。
「どうして!? なんで!? あの人の名前がこ、ここに?!」