ダ・ル・マ・さ・ん・が・コ・ロ・シ・タ2 【完】



僕は妹の死体をうまく処理したあと、彼女を追った。

しかし、どこにも姿はなく、夜が明ける。

それからは気が気じゃなかった。

菜摘がいつ警察にチクるか、と考えたら夜も眠れない。

おびえる僕をどこからか見て、愉しんでいるのだろうか。

だが、一向に、彼女や警察は僕の前に現れない。

いや、ひとりだけ来た。ショボい刑事が。

犯人を目の前にして、ペラペラと捜査の進捗状況を話すバカな宇治木というヤツが。

それどころか、驚くべきことに、バカなのは警察全体だった。

菜摘が犯人だと、躍起になって捜しているのだ。

これを利用しない手はない。

僕は宇治木を操り、さらに菜摘を犯人だと思いこませ、信頼を得ることで情報を得た。

警察より先回りして、菜摘を口封じに殺そうと計画。

僕の罪を、冥土の土産に。

ちょうどこのとき、笑える話を聞く。

『みんな呪われたんだ……』

そんなわけがない。だって、ことみを殺したのは僕なんだから。

でも、正直なところ興味は湧いた。

ヤンキー。イケメン。金持ち。

女子高生が好きそうなこういったキーワードには一切興味がないけれど、“呪いのゲーム”はそそられる。

それに、手足のない女を写真に撮ったら、三流誌が高値で買い取ってくれるかもしれない。

信じてはいないが、一応、手頃なヤツらにゲームをさせた。

ネットで知り合ったアイツらさ。

僕は彼らを友達だなんて思ったことは一度もない。

だけど人には好かれていたいから、とりあえず一緒にいるだけ。

この策略が功を奏した。呪いは本物だったんだ。



 
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