ダ・ル・マ・さ・ん・が・コ・ロ・シ・タ2 【完】



伊達磨理子の父親を殺して奪い、名前が書かれている有名人をゆすって大金を巻きあげる。そのあとは……。

欲しい物やしたいことの、あれこれ。考えるだけで心が震える。

明るい未来に菜摘は邪魔だ。

僕はもう一度、排除に向かった。

伊達磨理子が消えた日の朝、見張りの刑事がまだ来ていない病院に侵入。

僕を見るなり、拘束具を必死に外そうとする菜摘がいた。

どうやら、あの女が成仏したことで、生きる屍のようだった彼女も正気に戻ったらしい。

おそらく、沙奈もそうだろう。

『来ないで!!』

僕を恐れる表情。

『ことみを殺したの、見てたよね?』

菜摘はうんともすんとも言わなかったが、ひどく怯えているというのが答えに等しい。

殺すのは非常に簡単だったよ。逃げも隠れもしないからね。

あまりにあっけなさすぎて、逆に面白くなかったな。

ハサミで首を刺し、自殺に見せかけるため、拘束具を外して病院を出た。それが昨日のこと。

では、これからの行動計画をおさらいしよう。

まず、伊達磨理子を撮った写真を現像する。

きっとナニカが撮れているはずだから、それを雑誌社に売るんだ。

それからあのオッサンを殺して、顧客リストを奪う。

いや、敬太が先かな。

僕、沙奈をひと目見たとき、恋に落ちた。

アイツが死ねば、きっと彼女は哀しみに暮れるだろう。

そこで優しくしてやれば、僕にゾッコンさ。

ことみがいなくなっちゃったから、次はあの子を僕が守ってやるんだ。

なのに……。

また、邪魔者が現れた。しかも、今回は少々手強い。



その人物の名は、兵藤新八。



 
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