ダ・ル・マ・さ・ん・が・コ・ロ・シ・タ2 【完】



現像液に沈めていた1枚目の写真には、手足のない人型の塊がくっきりと写っていた。

乾かすために写真を吊るし、さらに2枚を液へ浸ける。

それは、舞い散る桜の花びらみたいに、ヒラリヒラリ沈みゆく。

「祐一郎くん、自首しないか?」

「ぇ……」

新八は諭すように、僕の肩に手を置く。

ことみだけじゃなく、菜摘の殺害も立証されれば、死刑は相当だろう。

しかし、僕が腹をくくったのは、残念ながらそこじゃない。

「いいや……アンタを殺す!」

――ガツッッ!!

棚にあったジャンクのカメラで新八の側頭部を強く殴打。

「グアッッ!」

老いぼれは、簡単に倒れた。

「ハハハッ! ジャンクにも、こんな使い道があるなんてな!」

――ガンッ! ガンッ!

何度も何度も打ちつける。

「グフッ……」

――ガツッ!

ほとばしる血しぶきが目に入ろうが口に入ろうが容赦なく、僕は激しく殴り続けた。

「さぁ、教えてもらおうか! 顧客リストはどこにある?!」

学校の中というのはいささか想定外ではあったが、殺しに行く手間が省けたと思えばいい。

「っ゛……」

――ガンッ。ガツッ。

「ほら、言えよ! 死んじまうぞ」

「……ぅ゛」

すでに瀕死の状態にある新八。

「ま、いいさ」

口を割らなくても、大体の見当はついている。

あの山小屋だ。



と、そのとき。



――ゴボッ。



「ん?」



 
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