ダ・ル・マ・さ・ん・が・コ・ロ・シ・タ2 【完】
ズズッ––
ザザザッ――
「ッチ……」
こんなに走ったあとなのに、すぐ近くにいるような感覚。
……隠れるしかない。
僕は教壇の下のスペースに身体をうずめた。
トッ――トンッッ――
チュルルッ――
ズズッ――
ザザザザザッ――
「来゛るな来る゛な来るな゛来゛る゛な゛!」
必死に願う中、耳に詰めた指の蓋を取る。
トンッ――トッ――
ザザザザザッ――
彼女との距離が測れない。
なぜならその音は、黒板の上のスピーカーから流れていたのだ。
ズズッ――
ザザザザザザザッ――
「ひ゛ぃいい゛ぃ……」
両膝に目を押しつけ、恐怖の嵐が過ぎ去るのをじっと待つ。
伊達磨理子の怨念は浄化されたはず。
僕が父親を殺したことで、よみがえらせてしまった。
この世に、新たな怨念を携えて。
――…………。
……ん?
――…………。
「んん!?」
奇怪な音が、消えた。
……なんだ。
「ただの脅しか……」
そう安堵し、視線をあげたとき。
「っう゛ぅ゛わああ゛ぁーーーっ!!」
教壇の上からのぞきこむ、磨理子の青白い顔。