ダ・ル・マ・さ・ん・が・コ・ロ・シ・タ2 【完】



「磨理子さんが……」

……コロシタ!?

「う゛わあ゛―――っ!!」

どうして彼女の仕業だと、わかったのか。

耳。鼻。口。目。

顔にあるすべての穴から、黒い髪の毛が無数に突出していたからだ。

その毛先から、ヒタリヒタリと血が滴り落ちている。

……どうして?

見るからに、これは呪いのゲームの罰ではない。

磨理子さんのことを知りながら、助けようともしなかった今川と同じ、私怨による復讐。

……なぜ?

その理由を確かめる必要がある。

宇治木の方はどうだっただろう……?

まずはそっちを確認するのが先決だ。

震える膝に意志をみなぎらせ、来た道を戻った。

宇治木と分かれた場所から、今度は彼が向かった血のラインを辿る。

靴箱を過ぎて渡り廊下を超え、角を曲がり、深呼吸。

「ハァ……ハァ、ハァ……」

もう1つの終着駅は、写真部の部室だった。

「宇治木さん?」

ドアを開けると、そこには誰もいない。

「しっかりしてください!」

だが、奥にある半開きの扉の向こうから、宇治木の声が聴こえてきた。

意を決し、暗室らしき小部屋の中に身を投じると、無気力に横たわる新八の姿が目に飛びこむ。

「ぉ、遅かった……」

「敬太くん!」

床に広がる漆黒のシミ。

それが血であることを理解したとき、俺は膝をついてうなだれた。



 
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