ダ・ル・マ・さ・ん・が・コ・ロ・シ・タ2 【完】
パトカーの後部座席で毛布を被り、捜査員でごった返す校内の様子を、放心状態で眺めていた。
約4時間、警察による大規模な捜索が行われたが、結局祐一郎の首から下部分は見つからず。
常軌を逸した殺害現場に、捜査員の口数は少ない。
誰もが思ったはずだ。これは人の手によるものじゃない、と……。
何度もそんな経験をしてきた俺だからこそ、わかることがある。
「キミを家まで送るよ」
「宇治木さん……ありがとうございます」
俺は祐一郎と、すなわち前の鬼と、小指を繋いでいる。
再びこの世の者たちを呪うべくして、午前3時3分を越えた頃、必ず磨理子さんは俺の元に現れるだろう。
だが、まったくと言っていいほど恐れはない。
むしろ、今度は俺の手で怨念を鎮めようと、より強い決意を抱く。
夜中の1時に帰り着き、母の淹れた熱いコーヒーをすする。
温まった身体で庭に出て、黒革の手帳に火をつけた。
数々の哀しい記憶を、その炎に投影する。
……これでいいんだ。
俺の出した答えに、磨理子さんはどんな答えを出すだろう。