ダ・ル・マ・さ・ん・が・コ・ロ・シ・タ2 【完】
「ッ!?」
ゆっくりと刻まれた10秒。
二度と聞きたくなかった呪文の言葉。
次の瞬間!!
「ガッ―ガハッ! 沙゛……、沙゛奈゛!」
突然、とてつもない力で首を絞めつけられた。
男の俺でも引き剥がせないほどの。
「ガッ―グハ―」
「やハり、あナタたちニは“イッポ”で十分ネ」
……こ、この声は!?
聴き慣れた沙奈の声と、忘れかけていた女の声が入り混じる。
「正解ハ歩数よ、ホ・ス・ウ」
……歩数!?
「ヤ、ヤ゛メロ……ざ、沙ナあ゛!」
「フフフフッ―
ハハハッハハハッ―」
高々と嗤い、急激に熱くなった俺の耳に唇が触れる。
「どンナ気分? 愛すル人に苦しメラレルのは」
ささやかれるだけで、心臓が凍りつきそうな恐怖。
目の前にある沙奈の肩から……ゆっくり、静かに姿を現す……顔。
「っ!!」
闇の奥深くへと引きずりこむかのような戦慄の瞳。
そう、彼女の名は伊達磨理子。