ダ・ル・マ・さ・ん・が・コ・ロ・シ・タ2 【完】
「死ネぇ!!」
今の今まで、どうして気付けなかったのか。
さらなる殺意で首を絞めつけられた。
「沙ア゛……、奈」
苦悶の境地に達し、意識が遠のきはじめる。
目を閉じると、黒いキャンバスに白いペンキがぶちまけられた。
おそらく、脳細胞の死。
覚悟するしかなかった。
……せめて。
もう一度触れたい。愛する人に。
俺は最期の力を振りしぼり、鬼の形相をした沙奈の頬に手を添えた。
すると。
……泣いてる?
指から腕に伝う熱い涙。
どうやら、呪縛は沙奈のすべてを喰い尽くせなかったようだ。
強い眼差しで沙奈を見る。
「ご……、ご、めん゛」
恨むべきは自分自身。
結局、俺は誰も守れなかった。
守ると誓った沙奈との約束さえも。
「ガハッ―ガ……ッ……」
……さ、沙奈……。
別れを言う気力もなく、俺の意識は意識がブラックアウトしていった。