ダ・ル・マ・3・が・コ・ロ・シ・タ(上) 【完】
私は、5人のグループのひとり。
男子も交えて話すような、いわゆるイケてるグループではなかったけれど、廊下や登下校はいつも行動を共にするぐらいの仲良し。
だけど、4年生になって環境が変わると、関係性も変化する。
グループのひとりが、
『無口だから、一緒にいてもつまらない』
と、私の陰口を言うようになったのだ。
正直とてもショックで、仲間外れにされないために無理して明るく振る舞っていたけれど、やっぱり疲れて、少しずつ孤立を深めていく私。
そんなとき、あの子がみんなに言ってくれた。
『本当の友達は、会話をしなくても居心地のいい人だと思う。だからうちは、さっちゃんと一緒にいる!』
彼女の名前は有村そら。
気が強くて、嘘や悪口を嫌う真っ直ぐさを持ち、小川のほとりのように優しくて、でも流されない。
普段あまり自分の思いを口にできない私とは正反対の子で、そもそも私をグループに引き入れてくれた張本人。
そらは暗がりに逃げ込もうとしていた心に光をくれ、いや、彼女が光そのもので……。
いつしか、私たちふたりの間には、雲ひとつない友情の大空が広がっていった。