ダ・ル・マ・3・が・コ・ロ・シ・タ(下) 【結】
それぞれが別の高校に進んでも、美佐子とはるかはくっついてきた。
私と一緒ならお金は要らないし、もれなくスペックの高い男子がわんさか付いてくる。
愚かな女のやりそうなこと。まあまあ容姿はいいし、私の格が上がるから、継続して一緒に居てあげている。
男はお近づきのしるしにすぐSEXをしたがるもの。初体験なんて、私にとって特別なものじゃなかった。
誰に抱かれても言葉でしか感じず、愛情や友情の中に心からの快楽は存在しないと信じた。
というわけで、相変わらずヒマだ。人を操り、傷つけることだけが楽しみ。
そんなあるとき、父の書斎でとんでもない物を発見した。
いつもは鍵がかかっている机の引き出しが、掛け忘れなのか少し開いている。
重要とか機密とか書かれた大量のファイルの下に、
『あらま……』
ケースに入ったアダルトDVDが隠されていた。
父も男。別に軽蔑はしない。
ただ、パッケージに映る女性には見覚えがあった。
『どこかで……いつだっけ……』
記憶を掘り起こし、思い出す。
『入学式!』
そう、あの教室にいたハデな女の人だ。
数分だけサングラスを外したから、それがとても印象的で記憶の片隅にあった。
1年のとき同じクラスだった山口に訊いてみると、面白い答えが返ってくる。
『あのすっげーセクシーな人だろ? 何人かで担任に訊きに行ったから憶えてるよ! 実はあれ、大貫の母親だって』
『うそ⁉』
『マジマジ。それがどうかした?』
『ふふふふっ……』
最高の暇つぶしプランを思いついた私は、彼と共にわざわざ静岡の女子高を訪ねた。
……さすがにあのときはやり過ぎたかな。
同じ女としてだろうか。初めて罪悪感というモノを感じた。