ダ・ル・マ・3・が・コ・ロ・シ・タ(下) 【結】



それぞれが別の高校に進んでも、美佐子とはるかはくっついてきた。

私と一緒ならお金は要らないし、もれなくスペックの高い男子がわんさか付いてくる。

愚かな女のやりそうなこと。まあまあ容姿はいいし、私の格が上がるから、継続して一緒に居てあげている。

男はお近づきのしるしにすぐSEXをしたがるもの。初体験なんて、私にとって特別なものじゃなかった。

誰に抱かれても言葉でしか感じず、愛情や友情の中に心からの快楽は存在しないと信じた。

というわけで、相変わらずヒマだ。人を操り、傷つけることだけが楽しみ。

そんなあるとき、父の書斎でとんでもない物を発見した。

いつもは鍵がかかっている机の引き出しが、掛け忘れなのか少し開いている。

重要とか機密とか書かれた大量のファイルの下に、

『あらま……』

ケースに入ったアダルトDVDが隠されていた。

父も男。別に軽蔑はしない。

ただ、パッケージに映る女性には見覚えがあった。

『どこかで……いつだっけ……』

記憶を掘り起こし、思い出す。

『入学式!』

そう、あの教室にいたハデな女の人だ。

数分だけサングラスを外したから、それがとても印象的で記憶の片隅にあった。

1年のとき同じクラスだった山口に訊いてみると、面白い答えが返ってくる。

『あのすっげーセクシーな人だろ? 何人かで担任に訊きに行ったから憶えてるよ! 実はあれ、大貫の母親だって』

『うそ⁉』

『マジマジ。それがどうかした?』

『ふふふふっ……』

最高の暇つぶしプランを思いついた私は、彼と共にわざわざ静岡の女子高を訪ねた。

……さすがにあのときはやり過ぎたかな。

同じ女としてだろうか。初めて罪悪感というモノを感じた。



 
< 105 / 163 >

この作品をシェア

pagetop