ダ・ル・マ・3・が・コ・ロ・シ・タ(下) 【結】
『おっほっほ! 見た目だけじゃなくて性格も様変わりだな。前は…』
『だから! 用は何⁈』
愛依やあきほに知られたくない。いじめられていた過去は。
『ごめん。先にバス乗ってて』
『……ぅ、うん。いつものファミレスにいるから』
『わかった』
『あとでね』
『うん!』
先にふたりを行かせて、声が届かないぐらいになってから再度問いかける。
『何しに来たの?』
すると、あの女が想定外の言葉を口にした。
『ねぇ、ダルマさん。自分の母親の昔のこと、どれくらい知ってるの?』
『え⁉』
一気に心を掌握された。実際何も知らないし、この女が私より知っているなど許せないから。
『その感じじゃ知らないのね……私たちが教えてあげる!』
4人は歩きだす。迷ったのは一瞬だけ。
私は、彼女らについて行った。
『どこに?』
あえて選んでいるのか、人がいない道ばかりを進む。
『人に聞かれたら、一番困るのはあなたよ。優しいでしょ?』
中学時代と変わらず、不敵にニヤリと笑う。
記憶が足を止めようとするが、好奇心は前に踏みだす。
『これって空き家か?』
朽ち果てた門扉を飛び越えたひとりが、ヒビの入ったガラスに学生カバンの角をぶつけて割る。
『ここでいいんじゃね?』
不機嫌そうなお嬢様と共に不法侵入。
ホコリの被った畳の上で、男たち3人に囲まれた。