ダ・ル・マ・3・が・コ・ロ・シ・タ(下) 【結】
12月18日 月曜日 PM6:23
外はすっかり陽が落ちていて、それでも目の前にある彩矢香の寝顔は、恋心をくすぐる美しさだった。
カーテンを開けて見えた初めての景色を眺めながら、自分の身に今起きていることと可能性を、順序立てて論理的に整理してみる。
連夜の悲劇の幕開けは、大貫幸恵からのメッセージ。
大貫幸恵=自殺
そこに書かれていた名は伊達磨理子。
伊達磨理子=伊達事件の被害者=呪いの化身
呪いなんて論理的思考から外れるが、どうやらこの呪縛はホンモノらしい。
だが、明らかに別の手が加わっている。
瀕死の状態にある命を動かし、遺棄する役割をする何者か。
怪しいのは以下の面々。まず……。
開桜中学校3年1組 担任 畑山四郎。
先生は大貫の自殺を知っていながら、警察での取り調べで『彼女から電話があった』とありえない供述をしている。
しかも、尾堂直哉、橋口亮平、梅田はるか、3件とも第一発見者。
遺棄現場に【イジメの末路】というセンセーショナルな血文字を残していることから、動機はおそらく、あの当時イジメを見て見ぬフリをした罪悪感による罪滅ぼし。
畑山四郎=主犯?
そして、刑事の浜田と斎藤は言った。
『医学的知識と技術のある者が犯人だ』と。
そうすると、医者を志す山口基弘が怪しい。
山口基弘=共犯者1?
だとすれば、星都中で共に行動していた玄一郎太も怪しくなる。
玄一郎太=共犯者2?
他にも、上村康文が言っていた小学時代の大貫の親友。
有村そら=自殺