ダ・ル・マ・3・が・コ・ロ・シ・タ(下) 【結】



『疑いは晴れたんですか?』

『一応、まぁそうだな。数日家から出るなと言われているし、外にはまだ刑事が張り込んでる。今日の夜にまた事件が起こるようなら、完全に疑いは晴れるだろう』

訊けば、昨夜は犯人から動画が送られてきたそうだ。

まだ息のあるはるかの映像と共に、星都中まで来いという内容のもの。

『じゃ、その動画のおかげで?』

『あぁ。私が殺して遺棄した証拠も無いしな』

それでも、声はめっきり弱っている。

人が自ら命を絶つときは、こういう雰囲気を醸し出すのかもしれないとさえ思う。

『水嶋、お前に頼みがあるんだが……』

畑山は言った。

もし今夜も動画が送られてきたならば、自分の代わりに行ってくれないか、と。

『先生、もう誰も死なないと思います。だから安心してください』

呪われし禁断のゲームについては何も知らない畑山。

どうせ終わるなら、僕らをピーターパンのように見てほしくないし、知らぬが仏ということわざだってある。

『本当に⁉ ホントか⁈』

『はい!』

明らかに語気が高ぶり、こちらまで感化された。

とても、演技とは思えない。

彩矢香は僕が通話を切るまで、料理に手をつけず待っていた。

「どう? 先生じゃなさそう?」

「……ぅ~ん。いろんな意味で、ハタセンじゃないかもしれない」

なんとかのカルパッチョをつまみながら、僕は次の候補を探した。

消去法でいくなら、彼女だ。

『もしもし』

『アカネ? ちょっと訊きたいことあってさ』

藪から棒に感も出さず、すんなりと受け入れる茜。

僕としては助かるけれど、なんだかその受け答えには距離を感じた。

『ありがと。もし美佐子が無事だったら、またみんなで集まろうな!』

『……そのことなんだけどさ、うちとはもう関わらないでほしいんだ』

『え⁉ 関わるなって、どういうこと?』



 
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