ひとりきりの夜に。
午前6時。
玄関のチャイムが鳴る
わけではなく、着信音が鳴る。
家ついたよー!今晩会えるの楽しみだな。
彼は帰ってこなかった。
クマだらけで肌荒れを隠しきれていない化粧を丁寧に落とす。
今日も寝不足だが、あと1時間は眠れる。
私はケータイの電源を切ってベッドに潜り込む。
1時間後にセットしたアラームはきっと起動しない。
遅刻をして怒られるだろう。
それでもいい。
ほのかに香る彼の香りに包まれて私は深い眠りに落ちる。
今晩、私は彼に会いに行く。
きっと明日も睡眠不足だ。