とりあえず生きてく
その日の夜父親が帰ってきてわたしの入学費用を麻雀に使ったらしくリビングで母親と喧嘩していた。
「大丈夫やで。
明日おばあちゃんのとこに行ってお金の話したるから。」
「ありがとう。」
兄はそう言うとわたしが眠るまで頭を撫でてくれた。
母親はすぐにヒステリックになるし父親は家族に興味なくギャンブル依存症。
兄だけが幼いわたしが頼れる人であった。
次の日兄と近所に住む父方の祖母の家に行った。
父方の祖母の家は割とお金に余裕があり家も大きくて広く高そうな車を持っていた。
「しおりと翔いらっしゃい。」
「2人で来たん?」
優しく出迎えてくれた祖母と祖父の顔を見たら昨日の父親と母親の喧嘩を思い出し涙が溢れた。