こけしの恋歌~コイウタ~
「それじゃあ、派遣会社に連絡するね…。会社の人事部長さんにも連絡入れたほうがいいよね…」
高畑さんは心配そうに私を見て、スマホを片手に握りしめて社長室を出ていった。
「円香ちゃん、サクラとしてはどうする?」
社長は真剣な顔で私に尋ねた。
「私は…」
一呼吸して、顔を上げた。
「私は歌うことが大好きです。私の歌を聴いてくれている人たちには感謝しています。でも、恋のバラードは片想いの人を想って歌っています。私の気持ちを込めて歌えないとなると…。それにやっぱり私は人前で歌うことに自信がありません。なんと言っても私はこけしですしね」
私は空元気に笑ってみせた。
社長は何度もおもてに出て歌うことを薦めてくれた。
その気持ちは本当にありがたい。
でも私はどうしても自信が持てない。
見た目はこけしだし、面倒くさがりの性格でメイクはいつも薄い。
服装にもそんなに興味はない。
美人だとか可愛いだとか、決してそんな部類には入らない。
きっとサクラの正体がこんなのだとわかれば、みんながっかりするはず。
高畑さんは心配そうに私を見て、スマホを片手に握りしめて社長室を出ていった。
「円香ちゃん、サクラとしてはどうする?」
社長は真剣な顔で私に尋ねた。
「私は…」
一呼吸して、顔を上げた。
「私は歌うことが大好きです。私の歌を聴いてくれている人たちには感謝しています。でも、恋のバラードは片想いの人を想って歌っています。私の気持ちを込めて歌えないとなると…。それにやっぱり私は人前で歌うことに自信がありません。なんと言っても私はこけしですしね」
私は空元気に笑ってみせた。
社長は何度もおもてに出て歌うことを薦めてくれた。
その気持ちは本当にありがたい。
でも私はどうしても自信が持てない。
見た目はこけしだし、面倒くさがりの性格でメイクはいつも薄い。
服装にもそんなに興味はない。
美人だとか可愛いだとか、決してそんな部類には入らない。
きっとサクラの正体がこんなのだとわかれば、みんながっかりするはず。