こけしの恋歌~コイウタ~
途端に会場中が騒がしくなった。
「この声、サクラ!?」
「桜庭さんがサクラ!?」
「こけしちゃんがサクラ!?」
「えーっ!?」
収拾がつかないんじゃないかってくらいに会場中は大騒ぎになった。
けれど、それは一瞬のことで、次第に会場は静かになり、私の歌声だけが響き渡った。
サクラとして顔出しは一切せず、メディア露出もしなかった。
当然のことながらライブもしたことがない。
これが最初で最後のサクラのライブになる。
後悔のないように。
ありったけの感謝の気持ちを込めて。
そしてなにより、課長の幸せを願って。
歌い終わると、私は脱兎のごとく会場を後にした。
歓声が聞こえたけれど、一度も振り返ることはしなかった。
いろんなものに終止符を打って、その日のうちに日本を飛び立った。
「この声、サクラ!?」
「桜庭さんがサクラ!?」
「こけしちゃんがサクラ!?」
「えーっ!?」
収拾がつかないんじゃないかってくらいに会場中は大騒ぎになった。
けれど、それは一瞬のことで、次第に会場は静かになり、私の歌声だけが響き渡った。
サクラとして顔出しは一切せず、メディア露出もしなかった。
当然のことながらライブもしたことがない。
これが最初で最後のサクラのライブになる。
後悔のないように。
ありったけの感謝の気持ちを込めて。
そしてなにより、課長の幸せを願って。
歌い終わると、私は脱兎のごとく会場を後にした。
歓声が聞こえたけれど、一度も振り返ることはしなかった。
いろんなものに終止符を打って、その日のうちに日本を飛び立った。