マンゴーゼリー
『あ、でも・・・』


「どうした？」


『マンゴーゼリーは食べ飽きたかも。アイスなんかもいいんじゃない。』


「アイス？」


新たな選択肢だ。


『うん。この時間だし、マンゴーゼリーもないかもしれないし。』


「どんなアイスだ？」


『う～ん・・・チョコのやつがいいと思う。』


「チョコだな、わかった。遅くに悪かったな。
　真尋も早く寝なさい。」


そう言うと、電話の向こうで、娘が笑った。


『お父さん。早く寝なさいって、まだ9時だよ？』


「それはそうかもしれないが、浩太はまだ夜中起きるだろう？
　休める時に休んでおかないと。」


昨日、帰ったばかりの娘が心配でたまらない。口うるさいことを言っているという自覚はあるがついつい口出ししてしまう。娘は、妻に似て、頑張りすぎるところがあるから。


『うん。わかった。ちゃんと寝るよ。』


「ん。じゃあな。頑張りすぎるなよ。何かあったらいつでも連絡してきなさい。」


『うん。ありがとう。おやすみなさい。』


「おやすみ。」


そう言って、電話を切った。


とりあえず近くのコンビニへ向かうためにエンジンをかけた。
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