たぶん、また。
とんだ女子に生まれて
つないでいた手を離して、向き合ったとき、

「あーもう帰るのか」

とぼんやりした頭で思った。

きっと春だから、ぼんやりしてたのだろう。


だから別れようという言葉さえ、夢か何かだと思っていた。


いつもの駅のいつもの改札で挨拶みたいに話した彼にただ驚き、見つめたままだった。


「さようなら」といい、ただそのまま別れた。


これで良かったのかどうか、わからなかった。

別れた彼は二年も同じ時を過ごした人だった。


悲しいし、辛い。



はずだ。たぶん。
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