夢色メイプルシュガー
「んじゃ、昼飯だけ食いに行こーぜ。どこがい?」
「え? どこでも……」
──じゃないぃーー!
「あのっ、宗谷くん!」
「んー……芽衣急いでんなら、あそこでいっか」
「へ、ちょっ……!?」
グイッと腕を掴まれる。
私が何を叫ぼうと、宗谷くんの足が止まることはなく。
──チリン。
「いらっしゃいませー。2名様でしょうか」
「はい」
あれよあれよという間に、私はお店の席に座っていた。
……なんだろう。
妙に緊張する。
私は無意識にも、きょろきょろと辺りを見回してしまう。
すると正面に座った宗谷くんが、ニヤリ。
「ファミレス来んの、初めて?」
そう、頬杖をつきながら覗き込んできた。
「なんでわかったの!?」
ドキリとして、慌てて訊ねる。
「んー。だって芽衣、すげぇわかりやすいもん」
「……っ」
わかりやすい? 私が!?
「ほら、選んで?」
軽くショックを受けている私に、宗谷くんはメニューを開いて見せた。