夢色メイプルシュガー


「へぇ、色々種類あるのね」


和食に洋食。

それに、デザートまであるなんて。

ページをめくりながら、私は感嘆の声を洩らす。



「でもどうしよう、何を選んだらいいか……」


オムライス?

でも、こっちのパスタも美味しそうだし……。


うーんと唸り声を上げる。

そんな私に。


「じゃあ、これどう?」


と宗谷くんがさっと提案してくれたのは、チーズインハンバーグ。


「ここの、結構うまいんだ」


なんて、すごく嬉しそうに教えてくれたから、本当においしいんだと思う。


「じゃあ、それにしようかしら」


私は彼の提案に乗ることにし、早速呼び鈴を鳴らして注文をする。


「これ、一つお願いします」


宗谷くんは、もう一つのお気に入りだというドリアを頼んでいた。


……楽しみだなあ。


ぼんやりとウエイトレスさんを見送る。

ふと我に返った時、宗谷くんがじっと私を見つめてきた。


「前から思ってたんだけど、芽衣ってお嬢様?」

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