夢色メイプルシュガー
フォークで軽く押さえながら、ナイフを使って真ん中を切ってみると──。
「わあ、すごい!」
とろーっと、中からチーズが一気に溢れ出てきた。
ハンバーグを一口大に切った私は、チーズをたっぷりと絡めて口へ運ぶ。
「どう?」
宗谷くんが窺うように見つめてきた。
うんうんうん。
瞳を見つめ返し、咀嚼しながら何度も頷く。
しっかりと味わった後。
ゴクン、全部飲み込んでから、私はいよいよ声を上げた。
「とってもおいしい……!」
「だろ? よかった」
びっくりした。
こんなにもおいしいなんて。
もう一度ハンバーグに目を移した私。
ドキドキとしながら、また同じようにナイフで切り分けていく。
すると突然、宗谷くんが「あっ」と小さな声を響かせた。
「そっか、そういうことか! やっとスッキリだ」
「……?」
スッキリって?
何を言ってるのかしら、とまじまじと様子を見守ってしまう。
次に聞こえてきたその言葉は、私の時の流れを一瞬止めた。