夢色メイプルシュガー
「メイメイも罪な女よね〜。二人のイケメンを手玉に取っちゃうなんて」
「ちょっ、何かの見間違えじゃない? そんなの私、全く心あたりないんだけど──」
「金曜日の放課後校門前」
え──。
「さぁ涼岡氏、潔く白状したまえ!」
向けられたしたり顔。
ドクン、と大きく心臓が跳ねた。
金曜日の放課後、校門前って……。
「あれはっ、そういうのじゃないわよ!」
謎が解けた瞬間、考えるより先に言葉が出た。
「というより、なんで希美が!?」
「ふっふっふ。あの場所ね、部室からよーく見えるのだよ」
そう言われてみれば、放送部の部室って校門の真正面にあった気がする、けど。
まさかそんな場面を見られてたなんて。
だって私が宗谷くんと乾先輩といた時間なんて、ほんの一瞬なのよ?
「でもあれは、本当に何でもないの」
「えー。じゃあ、あの黒髪爽やかイケメンくんは、誰だって言うのさ」
黒髪爽やかイケメンくんって……。