夢色メイプルシュガー






──ピーーッ!


「芽衣、やったね!」

「うん!」


試合終了のホイッスルが鳴り、私は同じチームの子とハイタッチをした。


……はぁ、疲れたー。


濡れた首すじをタオルで拭いながら、ふぅーっと深呼吸をする。


たった5分のミニゲーム。

それでも、その間ほとんど走り続けなきゃいけないわけだから、相当きつい。

私は水筒を手に取って、失われた水分を一気に取り戻すように、ごくごくと喉を鳴らした。

とりあえず、これで私たちのチームは一旦休憩だ。



──ピーーッ!


コートの隅に座って間もなく、さっきとは違うホイッスルの音がした。

それは、緑色のネットの向こう側。

同じくバスケをする、男子の体育から聞こえてきたもので。


「あっ」


反射的に振り向くと、視線はある一点を捉えて止まった。

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