夢色メイプルシュガー
*
──ピーーッ!
「芽衣、やったね!」
「うん!」
試合終了のホイッスルが鳴り、私は同じチームの子とハイタッチをした。
……はぁ、疲れたー。
濡れた首すじをタオルで拭いながら、ふぅーっと深呼吸をする。
たった5分のミニゲーム。
それでも、その間ほとんど走り続けなきゃいけないわけだから、相当きつい。
私は水筒を手に取って、失われた水分を一気に取り戻すように、ごくごくと喉を鳴らした。
とりあえず、これで私たちのチームは一旦休憩だ。
──ピーーッ!
コートの隅に座って間もなく、さっきとは違うホイッスルの音がした。
それは、緑色のネットの向こう側。
同じくバスケをする、男子の体育から聞こえてきたもので。
「あっ」
反射的に振り向くと、視線はある一点を捉えて止まった。