夢色メイプルシュガー


私は流されるように振り向く。

すると、相手チームからボールを奪ったらしい宗谷くんが、ドリブルしながら走っているところが目に入った。


「いけーっ、渚ァーー!」


……すごい。

次々とディフェンスをかわしていく宗谷くん。

私は、その姿を自然と目で追ってしまう。


そして──。


──ポスッ。


見事にドリブルシュートが決まった。


「っしゃあ!」


宗谷くんが拳を握るや否や、青いゼッケンの男子たちが、彼の元へ集まってきた。


知らなかった。

宗谷くんって、運動神経よかったんだ……。


「……っ!」


ど、どうしよ、目が合っちゃった!

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