夢色メイプルシュガー


「別に普通よ? 宗谷くんと一緒」

「や……全部90点以上とか、バケモンだろ」

「なっ、失礼ね!」

「褒めてんだけど」


どこが。

バケモンって、悪口にしか聞こえないんですけど?

無性におかしくなって、くすりと声を洩らしてしまう。


「あっ……っていうか宗谷くん、なんで私の点数知ってるの!?」


思い出した途端、声を上げた。

一瞬スルーしちゃったけど、教えてないのにどうして。


「悪ぃ、見えちゃった」


いやいや、そんな子どもみたいな笑顔見せられても。

テストの返却は出席番号順だから、見えてしまってもまあしょうがない。

でも。

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