夢色メイプルシュガー
「いい点とりたいなら、とにかく勉強! これが鉄則よ?」
「……芽衣とはそもそもが違うんだって」
笑顔で言い放った私に、平たい目が向けられた。
違うことないってば……。
そんな他愛のない会話をしていると、いつの間にかもう〈plage〉の目の前だった。
「今日は芽衣と二人っきりだな」
荷物を隅のテーブルに置くや否や、宗谷くんが楽しそうに言った。
変なこと言わないでよ。
言いかけて、口をつぐむ。
“二人っきり”
別に変なことでも何でもなくて、紛れもない事実だと気づいたから。
「そ、そうね」
ただ、それは私には妙に擽ったかった。
どうしちゃったんだろ、私。
こんなことは今までなかったのに。