夢色メイプルシュガー


宗谷くんと関わるようになってから、私の心は乱れてばかりだ。


ほら今も。

ドクン、ドクン。

なぜか心臓が、煩くリズムを刻んでる。


もしかして私──。



「芽衣」

「はいっ」


咄嗟に声を出すと、宗谷くんはクスクスと可笑しそうに笑った。

笑いながら、私に問いかける。


「テーマ、何か候補とかあんの?」

「それが、中々見つからなくて 」

「そっか」



色、季節、スポーツ、国。

あれから色々考えてみたけど、イマイチピンとくるものがなかったのよね。

考えては違う、考えては違うの繰り返しで、最後には溜め息がお決まり。

ほんと、我ながら情けない。


けれど、まだそれはかわいいもので……。

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