夢色メイプルシュガー


体育祭の宗谷くんといえば、かなりの大活躍だった。


バスケの時も驚かされた身体能力の高さだったけれど、彼は本当に運動神経がいいみたい。

400mリレーのアンカーで、あれだけぶっちぎりの走りを見せつけられたんだもの。

嫌でも記憶に残らないわけがないわ。


「ね?」

「ね?」


たまらず復唱してしまった。

全然、答えになってないんだもん。


「まだわかんない? なら、次の授業中、チラッとでも彼のこと見てみなよ」

「授業中?」

「そうすればきっと、わかるから」


にっこり笑った希美とは対象に、私の顔には疑問の色ばかりが浮かぶ。


「……どういうこと?」


わけがわからず、聞き返す。

けれど、希美はそれ以上何も答えてくれなくて。

結局私は、自分で確かめてみることにしたんだ。
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