夢色メイプルシュガー
あの時、頬を赤らめていたように見えた女の子たち。
あれは、私の気のせいでも何でもなくて。
──宗谷くんのことが、好きなんだ。
理解した途端、鼓動が速くなる。
それじゃああの二人、私がよく宗谷くんと一緒にいるから、彼女なんじゃないかって心配して訊ねてきたってこと……?
「メイメイ」
休み時間、座ったまま一人考えを巡らせていると、希美が溜め息混じりに近づいてきた。
「どう、やっと気づいたかんじ?」
「……ええ、たぶん」
「そっかそっかー」
それはよかった、と呟いた希美が、口元に手をやる。
「私、結構聞くんだよね〜。“宗谷くんって、カッコイイよね”って噂」
「うそ」
「ほんと。この前お手紙あげてた子も発見しちゃったし……。王子ってば最近超モテモテくんなのだよ〜?」
そ、そんなの、初耳なんだけど。
どうしよう……。
……ん、どうしよう?
えっ、と思った時──。