夢色メイプルシュガー
現実は現実。
夢は夢。
いい夢も悪い夢も。
夢はいつか、必ず覚めるモノなんだ。
見ていたい夢をずっと見てられる。
そんな都合のいいこと、あるはずない。
そう……幸せな夢は見すぎちゃいけないんだよ。
次に目が覚めた時、その現実に、耐えきれなくなるから──。
『突然でごめんなさい。
plage に通うの、やめます。
お世話になりました。
勇さんにも、どうか伝えてください。』
お母さんが部屋を出ていってから、私はそれを宗谷くんへ送った。
これでいいんだ。
これで……。
ベッドに横になり、ケータイを握りしめる。
けれどこの日、寝る時間になっても、宗谷くんからの返信が届くことはなかった。