夢色メイプルシュガー
「な、何かって?」
「だって宗谷くん、メイメイのとこ全然来ないし」
「それは……」
いつもなら、休み時間欠かさずと言っていいほど、私の席まで遊びに来ていた宗谷くん。
それが今日はまだ一度もないことに、希美は違和感を覚えたんだろう。
「もしかして、喧嘩した?」
「……っ!?」
瞳を潤ませながら言った彼女に、私は少し驚いてしまった。
どうして、こんなにも……。
「ううん。喧嘩ってわけじゃないけど、ちょっとね」
「ちょっとって。私でよければ、相談乗るよ? メイメイのためなら──」
「ありがとね、希美。でもいいの。全部、私が悪いから……」
私がにっこりと笑うと、希美は「そっか」と悲しそうな目で呟いた。