夢色メイプルシュガー
*
ゆっくりと時は流れ。
いつしか、放課後になっていた。
結局、あれから一度も私は宗谷くんと会話をすることがなかった。
もちろん、触れ合うことも、目を合わせることも。
なんにも、なかったんだ。
……どうしてこうなっちゃったんだろう。
わかってはいたものの、実際体感してみると胸が苦しい。
教科書をカバンに詰めながら、私はぼんやりとしてしまっていた。
やっと、想いに気づいたばかりなのに……。
はぁ、と息を零して俯く。
そして、
もう帰ろ。
思いながら、ふと顔を上げた時。