夢色メイプルシュガー
あの日から宗谷くんは、授業中にも必ず起きていて、熱心に先生へ質問なんかもしていた。
私との誓いのために。
ずっと。
だけどそんな短期間で人は変われるのか。
私には、まだ──。
「はよ、芽衣」
「宗谷くん……おはよう」
教室に入ってすぐ、目と目があって立ち止まった。
結構早めに来たつもりだったのに、もう来てたなんて。
「俺、ぜってー勝つから」
にいっと宣言してみせた彼。
なぜだか、心がモヤモヤとした。
......私、宗谷くんに勝ってほしいのかな。
それとも......。
え?
ふと、その机に置かれてあった教科書を見て息を呑んだ。