夢色メイプルシュガー
何これ……。
ページの空白部分が、ほとんどマーカーやらメモ書きやらで、埋まっているのだ。
これは、努力の結晶。
本気の証なのだと、思わざるを得なかった。
「手ぇ、抜くなよ」
「うん」
しっかりと目を見て、頷いた。
“もしかしたら、お母さんに夢のことを話さなければならないかもしれない”
考えたら、恐怖で足が震える。
何馬鹿なことをいってるんだって、裏切り者だって。
悲しい顔をされるのが、目に見えているから。
だから私は、光から目を守った。
眩んで、魅せられて、正しい道から逸れてしまわぬように。
……それなのに、なんでだろう。
「宗谷くん」
「ん?」
「頑張ってね」
彼は一瞬驚いたような顔をして、それから、優しく笑みを零した。
「ああ」