夢色メイプルシュガー






そして、運命の日を迎えた。


帰りのHR。

次々と先生から名前を呼ばれる、クラスメイトたち。

教卓に近づいた生徒は、揃って白い紙を受け取り、一喜一憂して席に戻っていく。


白い紙──紛れもない、期末テストの成績表だ。


ドキドキと鼓動が加速した時、私の名字が耳に届いた。


「ありがとうございます」


教卓へ向かった私は、先生からそれを受け取って、軽くお辞儀をする。

いつもなら、すぐに確認する数字だけど。

今日は何も見ないまま、そっとファイルに挟んでカバンにしまい込んだ。


宗谷くんと約束していたからだ。

放課後、二人で一緒に結果を確かめよう、と。


「宗谷」


その時、彼が呼ばれた。


私は、無意識に目線を机にやってしまう。

どうだったんだろう……。

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