夢色メイプルシュガー


──バンッ。


「……っ!」


1と5。

その数字を目にした途端、ドクンと心臓が激しく音を立てた。



「「……」」



何も言えないまま硬直する身体。

しん、と辺りが静まり返る。

ただただ流れる、沈黙。


しばらくして、宗谷くんがその静寂を切り裂いた。


「負けちゃった、か……」


微かに笑っていう宗谷くん。

結果は、私が1位で宗谷くんが5位だった。


「やっぱ芽衣には適わねーな」

「宗谷くん……」


八の字に寄せられた眉間。

辛そうなその表情に、胸が鷲掴みされたように苦しくなる。


「でも、5位だって──」


ガン、とその時宗谷くんが拳で壁を叩いた。

悔しそうに、ギリッと歯を噛み締めながら、肩を震わせている。


「芽衣に勝たなきゃ、意味ねぇんだよ……」


意味がない……。


たしかに、条件としては駄目だったのかもしれない。

でも。
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